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No.399【「顧客満足」と「顧客不満足」の差】-2006.3.29
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No.1068 ≪働き方改革と会社のあり方≫-2019.6.19

No.1068 ≪働き方改革と会社のあり方≫-2019.6.19 目加田博史

 

働き方改革関連法が施行されて3か月。運用面で試行錯誤されている企業が多い事でしょう。この法律が浸透してゆくと労働時間は分単位で論議されるようになります。
人間は機械ではないので、秒単位の管理は不可能です。しかし、悪法も法ですので遵守義務があります。
労働関連法は年々改訂され、順法精神がある会社ほど厳しくなってゆきます。

例えば、採用面接で、聞いてはいけない質問は、無数にあります。例えば、本籍地はどこか、本籍地を移していないか、父母の有無及び名前及び職業は何か、家業を継ぐ意思があるのか、父母の健康状態はどうか、死因は何か、兄弟の有無及び名前及び職業、住まいの付近の様子、戸建か借家か、信仰しているか、それは何か、どのような思想や信条を持っているか、学生運動をどう思うか、支持政党はあるか、それはどこか、尊敬する人物はだれか、その理由は何か、新聞は取っているか、どこの新聞か、結婚観はどうか、出産予定はあるか等は厳禁とされています。

入社してからは、パワハラ、セクハラ、マタハラ、アカハラに要注意です。社員が労働局や労働基準監督署に相談に行った時点でアウトです。指導とハラスメントの境目は、あくまでも受け取る側の印象で決まります。しつけと虐待の境目があいまいなように、ハラスメントもあいまいです。生理的に嫌な人に見詰められただけでセクハラになりますし、度重なるとストーカーになります。人間関係を良好に保つしか予防策はありません。おやじギャグ一つ言えない社会になっています。

さらに労働時間規制です。今では週40時間が常識です。単純に、週40時間だと1年は52.14週ありますから、本来だと年間労働時間は2085時間あります。法律の定めは、18時間以内、週1日以上の休日を付与することだけを要求していますので、法律だけ順守すれば、国民の祝日及び休日は会社の休日としないと明記すれば、312日勤務、16.5時間勤務であれば合法です。しかし、実際にはそのような会社はほとんどないでしょうから、現状の年間休日は年末年始と盆休を含めて135日前後です。すると、勤務日数は約230日ですので、年間労働時間は1840時間となります。人手不足の上、働き方改革関連法でにっちもさっちも行かないので、法律に合わせた勤務形態に変えて、出勤312日、16.5時間に戻そうとすると、これは認められません。なぜなら従業員保護の名目で「不利益変更不可」の原則があるからです。その前に社員がいなくなるでしょうが。
また、4月施行の働き方改革関連法により、有給休暇取得が最低でも5日間義務化されますので、年間休日は約140日になり、年間労働時間は1800時間になります。
さらに、年末年始、盆休み、シルバーウィーク、ゴールデンウィークが長期化し、創業記念日等の会社休日が増えるでしょうから、実際の年間休日は約150日、労働時間は1720時間がこれからの日本の中小企業の労働環境と捉えねばなりません。

さらに、ゆとり教育の影響か、ネット依存で、常識がわからない、一般教養がわからない社会人が多く、入社しても数年で退職する人が増えていますので、会社はますます一人前に育成するのに時間がかかるようになっています。また、職場環境に適応できず、精神障害や引きこもりになる社員も出てきます。厚生労働省の2012年の統計によると約340万人に上ります。20194月の就業者数6708万人の実に5%に上ります。

さらに、さらに、少子高齢化と人手不足から、若者の初任給や給与が万円単位で上昇しています。政府も積極的に最低賃金を上げています。早晩時給1000円になるでしょう。時間当たり人件費は、給与の上昇(約2.5%)と労働時間の短縮(約6.5%)で、約9%上昇しています。生産性を9%向上させて従来並み、増益を目指すならば、新商品開発とモデルチェンジと価格改定と生産性20%向上させるぐらいの戦略を持たないと、じり貧状態になってゆきます。職場環境整備は新商品開発や収益改善以上の戦略テーマになってきます。
さらに、さらに、さらに、政府は副業を推進しようとしています。労働時間の管理等責任の詰めは会社に丸投げし、副業ドライブを利かせてきます。副業を推進するということは、さらに進めば、個人事業主へのシフト、ひいては所属する会社へのロイヤリティ(帰属意識)は何かがあいまいになってゆきます。

単に働き方改革関連法の遵守だけでなく、これをきっかけに、会社の形を大きく変えてゆく意思を持つことが重要です。リクルートを考えれば、小手先の対応や精神論では対応ができなくなっています。
一頃ブームだった企業内起業、アントレプレナーセミナー、社内分社が、環境に適応した形で、討議してゆく必要性が出てきています。
つまるところ、会社の業績は、一人一人の社員の動機づけ、モチベーションを質量ともに高めることで実現できます。モチベーションが上がる戦略や組織構築を描くことで、会社の形を変えてゆかねばならない時期に来ているように思います。

 
No.1067 ≪いまどきの若者≫-2019.6.17

No.1067 ≪いまどきの若者≫-2019.6.17 目加田博史

 

ある会合での20代新米技術者Aさんと60代ベテラン技術者Bさんとの会話です。

「A君、ちょっと聞いていい?」
「はい、Bさん、なんでしょうか?」
「いつも気になっているんだけどね、『これをやっておいて』というと、『はい』と返事するだろ? だけど、できていないことが多いよね。あれ、どういう事なの」
「はい、あれは、指示されたら『はい』と返事しないと怒られると思って、返事しています」
「わかって『はい』と言っているの?」
「いいえ、わからない場合が多いです」
「わからないのに『はい』というのは、指示した俺としては腹立つよ、実際。じゃあ、なぜ、聞かないの?」
「この前、Bさんから指示されて、どうすれば良いかわからなかったので、『どうすればいいんですか』と聞いたら、『それぐらいわかるだろ!』とおっしゃったじゃないですか。だから、自分で勉強するしかないんだと思って、聞かないようにしています」
「だって、あの程度の事は普通わかるだろ? ちょっと考えれば専門知識が無くてもわかることなんだから。一か所だけ寸法記載がない図面だったけれど、A君は『寸法が入っていないので計算できません』と言っただろ? あれさぁ、寸法が入っている部分があるんだから、図面の縮尺から逆算すれば、おおよその寸法はわかるだろう、それぐらい教えられなくたって!」
「すみません」

横で聞いていた私がAさんに「図面にそこだけ表示が無いから意味があるかもしれないと思って、聞いたんだよね?」と助け船を出すと
「はい。勝手判断して、間違えて迷惑をかけてもいけないと思って、聞いたんです」
Bさんが『寸法が入っていないのは、外の寸法と縮尺から計算すれば良いから』と言われればわかったの?」
「はい、おそらく」
Bさん、私達の世代は、常識でわかる事をいちいち説明されるとうるさく感じますが、Aさんはその常識の説明が必要なのかもしれませんよ」
Bさんは呆れ顔で見ていました。Aさんは素直で前向きな好青年です。少しスピードが遅く、時間がかかるかもしれませんが、将来が楽しみな青年です。みなさんはどう思われますか?

ところで、ここ最近の歯科医師の国家資格の合格率が63%台と極端に低くなっています。従来は不合格になる学生の方が少数(約30%)でしたが、今は合格する学生が減っています。1浪、2浪は当たり前になっているそうです。さらに、いつのころからか授業で実技を教える事が極端に少なくなり、学科中心の授業になっています。国家資格に合格してから、インターンで初めて臨床を経験して、場数を踏んで一人前になってゆくのです。そうすると、個人差により、インターンを卒業しても臨床では安心して任せられない歯科医師が増えてきています。ちなみに医師の国家資格合格率は89%歯科医師より25%以上多くなっています。
6年間勉強してこの程度なのか?」と嘆く歯科医師のなんと多い事か。常識が通用しない。手取り足取り教えないと育たない。しかも、患者がよく勉強しており健康意識が高くなっているので、腕の良し悪しはすぐ見抜いてしまいます。そして、共通しているのが、「どのような歯科医師になりたい」という志が無いことです。仕事柄、歯科医師の面接をやることが多いので、必ず、「どんなデンチストを目指しているのですか」と聞きます。すると判で押したように、「患者様に寄り添って、痛みのない治療ができる歯科医師になりたい」と答えます。
「それは、当たり前であって、そのために、どのようなデンチストになろうとしているのですか」とさらに聞くと、後は無言になります。中学生のころから人生の職業選択をして、志をもって勉強してきた歯科医師でさえ、このようなありさまです。
まして、私のように、大学を卒業してからも、何になりたいという志が無かった学生は、社会に出てから、自分探しを始めることになります。
私達が学生時代を送った1970年代後半は、ドルショック、オイルショックで高度経済成長が行き詰まり衰退していたころです。また、子供時代は、『貧乏』という言葉が、辞書を引かなくても日常の生活の中で体験して身についていた時代です。だから、社会に出てから、持ち前のハングリー精神で何とかなった時代です。

しかし、今は、違います。『貧乏』という言葉は辞書を引いて意味が分かる人が大半の豊かな時代になっています。人に叱られたことがない時代です。

これらの事を理解しながら、人材を育成していかないと、「思っていた仕事と違う」と感じるとさっと退職してしまう時代です。募集しても応募がほとんどない売り手市場のなかで、やっと採用すれば、何と手のかかることかと嘆く前に、今の時代を生き残るには、入社してくれただけでありがたいと感謝することが必要です。
嘆いているあなたも、入社当時は手のかかる新入社員だったのですから。

 

 
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